センター長 武藤 慎一
2024年の元旦に、能登半島において最大震度7の大地震が発生しました。まず、お亡くなりになられた方々に心よりお悔やみを申し上げますとともに、すべての被災された方々にお見舞いを申し上げます。
山梨県も、糸魚川-静岡構造線断層帯や曽根丘陵断層帯などの活断層による地震、東海地震など地震に対するリスクを抱えており、十分な備えが必要です。また、全国的に頻発している局所的豪雨や激甚化する台風による被害への懸念も年々高まっています。富士山に関しては、宝永噴火を最後に約300年間噴火が起こっていません。しかし、いつ噴火してもおかしくないと言われています。一方、道路やトンネル、堤防、上下水道など、社会基盤施設(インフラ)は高度経済成長期に整備されたものが多く、それらのインフラの老朽化が深刻化しています。老朽化したインフラを多大な費用を投じて更新するのか、ダウンサイジングと呼ばれる規模を縮小していく判断をするのか、これから難しい選択が迫られていきます。
しかし、不安なことだけではありません。2021年8月には中部横断自動車道の山梨-静岡間が開通しました。また、リニア中央新幹線に関しては、開業時期が不透明という状況はあるものの今後整備が進められ、山梨県駅(仮称)も設置される予定です。これから山梨県は大きな飛躍を遂げるでしょう。その飛躍を確実なものにするために、地域の活性化に取り組むことが重要な課題です。
本センターでは、地域の抱える課題に対し「地域のシンクタンク」「地域をまもる人材育成」「地域連携の拠点」を活動の柱に据えて、地域防災の推進、地域インフラの計画および維持管理支援、都市環境の保全などに対し、専門知識の提供や専門家の派遣などを行っています。今後も、山梨県内の行政機関や企業との連携を深め、持続可能な地域づくりに貢献するため、最先端の研究成果の還元および地域活性化人材の育成の拠点として、その役割をしっかり担っていきます。引き続きご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
山梨大学 地域防災・マネジメント研究センター センター長
武藤 慎一