Project

プロジェクト概要


プロジェクト代表者挨拶

プロジェクト代表者

山梨大学 地域防災・マネジメント研究センター センター長

武藤 慎一

令和5年の活火山法改正により、国と地方自治体は連携して火山専門人材を育成・確保し、火山噴火対策を推進する責務を負うことになりました。しかし、日本には111の活火山がある一方で、火山研究者や分野横断的な知識と技能を持つ人材は著しく不足しており、各火山ごとに専門家を配置するという理想の実現は容易ではありません。火山災害は地域性が高く、多様な自然科学・社会現象が複雑に絡み合うため、個々の専門性に加え、総合的に火山防災を理解する人材の育成が重要です。

そこで山梨大学地域防災・マネジメント研究センター、京都大学防災研究所、山梨県富士山科学研究所は、文部科学省の「即戦力となる火山人材育成プログラム」に参画し、①火山研究者を志す社会人等の学び直し、②関連分野研究者の火山研究への参画促進、③火山実務者の専門知識・技能の習得支援という三つのコースを通じて、火山研究・火山実務に主体的に関わる仲間を増やすことを目指しています。このプログラムは一方的に教える場ではなく、参加者とともに学び合い、各地域の火山対応の特色を共有しながら、全国に細やかな火山防災ネットワークを築く試みです。

各火山での知識習得や訓練、避難計画づくりといった地道な取り組みの積み重ねが、日本全体の火山防災を大きく前進させると確信しております。令和2年の火山防災強化市町村ネットワーク創設や令和5年の「火山防災の日」制定など社会の動きが加速する中、本プログラムは今年始まる新たな挑戦として、受講後も長期にわたる関係を育みつつ、ともに火山分野を学び、将来火山研究・実務の現場で協働することを期待しています。

プロジェクト概要

文部科学省 令和6年度「火山研究人材育成等支援事業(即戦力となる火山人材育成プログラム)」


「研究者・実務者を対象とした火山対策スペシャリスト養成研修」

申請機関: 山梨大学
参画機関: 山梨県富士山科学研究所、京都大学防災研究所、鹿児島市
協力機関: 山梨県、富士吉田市
事業実施期間: 令和6年度から5年間

コース1: 大学院博士後期課程斡旋コース

修士課程在籍中の学生や修士課程修了後の社会人を対象に、火山学や火山実務に関する学び直しの機会を提供し、博士後期課程への進学を支援する。本コースでは、コース3で実施するオンデマンド講座を受講し、火山実務スキルを身に付けた研究者を目指す。


コース2: 他分野編入コース

土木学、情報学、社会科学など、火山学に関連する多様な分野からの参入を促進するため、火山および火山防災研究における課題を広く周知し、公募研究を募集・公開審査の上で実施する。採択者には研究費を提供し、火山研究のさらなる拡大を図る。


コース3: 実務者人材育成コース

目的:火山学、火山実務の学習機会を提供し、より実践的な火山災害対応が行える実務者人材を育成することを目的とする。本コースでは、オンデマンド講座及びオンライン研修により、火山学や火山実務に係る知識を習得する。また、富士山や桜島での実地研修及び、実施の自治体の火山実務に係る研修を行い、より実践的な技能を取得することを目指す。

V-SEP プログラムフロー図 (タップで拡大表示)

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企業・研究者・自治体の声